『宋名臣言行録』

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宋名臣言行録 (ちくま学芸文庫)

宋名臣言行録 (ちくま学芸文庫)

密林から取り寄せたけど、帯を見ただけで読む気が失せた。あと、こういうものは抄訳なら抄訳と分かりやすくしてしてほしい。まぁ、これは買う前から気づけよって話かもだけど。

本書は、訳や書き下し文はともかく、解説がいまいち。歴史は歴史として楽しみたいから、下手に現代に絡めて浅薄な一言付け加えないでいい。PHP 文庫かなにかかな? 「ビジネス現場で生かす孫氏の兵法」みたいな本が大っ嫌いなので過剰な反応かもしれないけど、全部削って索引だか当時の役職・俸給一覧、組織図でもつけてくれた方が100倍ありがたい。

というわけで、面白いかなって思ったところだけメモって終わりにした。厳しい言い方をすれば、ごく一部を除き東大法学部から官僚になったヤツがお互いに褒めあってる感じで、とくに得るところはない。でも、進士に及第すれば素寒貧でも出世の目があるのは、当時としてはオーパーツレベルの先進的なシステムだなぁ、と感心した。

人物的には、張詠あたりが魅力的。あとは王安石はとびぬけてるなぁ。今でいえば、リベラル一色の政府にネオリベ論ぶっこんで孤立した感じなんだろうか。後続の人材を得なかったのは、玉石の石ばかり集めて失敗した橋下市長にも似てるなー(……なんていうしょうもない個人的感想、解説に盛り込まんでいいやろ? 前半ぐだぐだ愚痴を言ったのは、そういうこと。自分のブログか、チラシの裏に書いとけばいい。すくなくともそんなこと“ちくま学芸文庫”には求めてない)。