『ギリシア文明―神話から都市国家へ』

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ギリシア文明―神話から都市国家へ (「知の再発見」双書)

ギリシア文明―神話から都市国家へ (「知の再発見」双書)

ヘロドトスの『歴史』を読む助けにと思って購入。このシリーズは図版が豊富でいいよねー。地図は2枚程度だったけど、ツボが抑えてあっていいんじゃないかなと思う。

感想がそれだけってのも寂しいので、ちょっとヘレニズムまでのギリシア世界をまとめてみた。

年代 西方 ギリシア 東方
BC6000年ごろ 農耕や牧畜といった新石器時代の技術がオリエントからもたらされる
BC3000年ごろ メソポタミア文明
BC2600年ごろ オリエントとの交流で青銅器文化を吸収(銅や錫はもっぱら輸入)
BC2600年ごろ 小アジアにトロイア文明
BC2000年ごろ 最初のギリシア人“アカイア人”(印欧語族)が北方より南下
クレタ島でミノア文明が栄える
BC1700年ごろ 地震と火山でミノア文明が崩壊 → 再建 ヒッタイト
BC16世紀 本土でミュケナイ文明が開花
BC15世紀 地震と本土ギリシア人の侵攻でミノア文明が崩壊
BC1200年中期 トロイア戦争
BC1200年ごろ 新しいギリシア人“ドーリア人”の南下。ミケーネ文明の崩壊 “海の民”
カルタゴ建国 暗黒時代(鉄器の登場、シェノイキスモス“集住”によるポリス建設)
BC8世紀ごろ ローマ建国 ホメロス『イーリアス』 アッシリア
ソロンの改革
BC550年 アケメネス朝ペルシア
クレイステネスの改革
BC401年 クセノポン『アナバシス』 クナクサの戦い
BC490年 マラトンの戦い ダレイオス
BC480年 テルモピュレイの戦い(スパルタ連合 vs ペルシア) クセルクセス
サラミスの海戦(アテナイ連合 vs ペルシア)
デロス同盟(盟主:アテナイ)
BC449年 カリアスの和約 (小アジア諸都市の開放)
デロス同盟でアテネが調子に乗る
BC431年 ペロポネソス戦争(アテナイ vs スパルタ) (スパルタに肩入れ)
BC404年 アテナイ降伏
スパルタの覇権 (スパルタ王アゲシラオスの小アジア遠征、ペルシアおこ)
(ペロポネソス同盟でのスパルタの横暴) (スパルタ王アゲシラオスの小アジア遠征、ペルシアおこ)
BC305年 コリントス戦争(スパルタ vs アテナイ・ペルシア) アルタクセルクセス2世
BC387年 大王の和約 (アテナイの回復を警戒したペルシアによる調停)
陸ではスパルタが優勢だが、アテナイも海戦で優位に立ち“アテナイ帝国”を回復
BC371年 レウクトラの戦い(スパルタ vs テーバイ)
テーバイの覇権
BC362年 マンティネイアの戦い(テーバイ vs アテナイ・スパルタ)
アテナイが優位に。マケドニアの勃興
BC338 カイロネイアの戦い(マケドニア vs アテナイ・テーバイ)
BC330 アレクサンドロスの東征 アケメネス朝の滅亡

東方との関係を押さえておかないと、割と分かりにくいんだねぇ。『アナバシス』の時代まではペルシア恐怖症だったのに、マラトンの戦い・サラミスの海戦で自信をつけてきて……にもかかわらず今度は内輪もめして、結局いい感じにペルシアの操り人形になっている感じある(直にチョッカイかけると火傷することを学習して、て、ペルシアがパワーバランス政策に移行したって感じ)。