『宇宙論と神』
執筆日時:
- 作者: 池内了
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/02/14
- メディア: 新書
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Kindle ストアでセールをやっていたので暇つぶしに購入。物理学の素養がなさすぎるせいか、割と最後の方はちんぷんかんぷんだった。ダークマターとかに関しても、「んん? まぁ、そうなん?」みたいな! むしろ前半、古代文明がそれぞれどのように宇宙を把握してきたかって言うまとめの方が個人的には興味深かったかも。
本書がちょっと“薄く”感じられたのは、“神”を単なる“不可知の擬人化”と捉えているからかもしれない。“神”というのはもっと複合的な概念だと思う。たとえば、世の中のルールを支配・維持するためにときに制裁を加えるもの(規範の擬人化)だったり、世界を機械論的にとらえた時の、その“機械”を最初に動かした力、およびそれへの畏敬(“第一原因”の擬人化)であったり。もちろん、そういうものも本書にはちょっとはマジっているのだけど、「天文学者は真面目すぎる」せいかあんまりフォーカスが当たっていない。せいぜい人間中心的世界観、インテリジェント・デザイン的なモノの見方に、ちょっと現れるぐらい。
まぁ、でも、真面目な天文学者たちと“不可知”のバトル物と思えば割と面白いのかも。新幹線の中で読む本としてはいいんじゃないかな。ところどころ、豆知識として面白い部分も多かった。