『古代からの伝言 日本建国』

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角川の Kindle セールで全巻大人買い。1週間ぐらいで7冊読み切った。ここに書かれていることの正否はわからないが、とても読みやすく、面白かった。割とお勧めできると思う。

古代からの伝言 日本建国 (角川文庫)

古代からの伝言 日本建国 (角川文庫)

邪馬台国と神武天皇の神話。

この当時の日本の重要性を考えるにあたって、人口の大きさを大まかに把握しておくのは大事なことだと思う。

三国については戸籍に載っている数だけで、実数はもうちょっと多いかもしれませんし、邪馬台国については過大評価されている可能性もあるのですが、だいたの規模感はつかめるかも。

とくに呉は国土の割に人口が少なく(江南の人口が増えたのは、華北が異民族の侵入で乱れ、華南への人口移動が起こった東晋時代以降のことです)、日本にちょっかいをかけたくなるのもうなずける感じ。魏としては、日本が呉に組することだけは絶対に阻止せねばなりません。そのため、邪馬台国を西の新魏大月氏王と並ぶ親魏倭王に封じ、新羅などのように属国扱いせず、友邦という扱いになっています(それでも遠くから貢物を持ってきたみたいな扱いですけど)。

ちなみに、朝鮮半島の人口はこんな感じだったよう(推計)。

朝鮮半島は想像より人口がまばらで、とくに任那地方は小国乱立って感じだったようですね。だから日本(倭)が手を出せたというのがあるのでしょうけれど。

んで、神武東征。

本書の特徴は、神武天皇の東征神話を真っ向から否定せず、とりあえずウソ入ってないと仮定して話を進めている点。まぁ、シュリーマンがトロイみつけたり、亀甲から殷王朝が実証されたりっていう話もあるしね。なんでもウソって決めつけて話を進めても仕方ないよね。

そうなると問題になるのが、初期の天皇の寿命がやたら長いこと。たとえば神武天皇は127歳まで生きている。どういうことや。

そこで本書が採るのが、倍年説。

決定的とは認知されていない説だが、『魏略』には現在の半年を当時の日本が一年として数えていたという『倍年説』を基に歴史を再計算しその結果、神武天皇の即位は西暦181年であり、寿命は127歳の半分の63歳であったと主張している。これに伴い、神武天皇以後の歴代天皇の寿命や在位期間も半分となる

八木倍年説 - Wikipedia

確かにこれをとれば、

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(でも、なんで高知にまであるの?)

と、いろいろ話のつじつまが合う。とはいえ、これでこの説が正しいと言えるわけではない。たとえば「じゃぁ、いつから倍年やめたの?」って聞かれても答えられないし。でも、一つの説としては有力なのかもしれない。

あと、卑弥呼の死後、男王を立てたけれど国が治まらなかったのに、13歳の壱与を王に建てたところ平和になったっていうエピソードは昔から好き。卑弥呼、壱与に限らず、古代の日本は女性の統治者が割かしいて、しかも重要な役割を演じている(神功皇后、推古天皇、持統天皇などなど)のって、ちょっと面白いよね。

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全巻まとめていろいろ書くつもりだったけど、艦これのイベントで忙しいから、やっぱり小分けにしてちびちび書くことにする。