『数論への招待』

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数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)

数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)

僕は俗にいう文系人間で、数学はまったくできないのだけど、学生時代は“整数問題”や幾何・代数の証明問題といった、あまり計算のいらない分野は結構得意だった。要は計算が嫌いで、数学っぽい考え方や問題に取り組むことそれ自体はそんなに嫌いじゃなかったわけだ。とはいえ、素数を見ただけで悦ぶようなひとの気持ちがわかるほどでもなかったのだけど。あいつらは正直変態だと思う。

でも、この本を読んで少し考えを改めた。

「いろいろな物理的定数も素数が協力してできたものではないか」
「この物理的世界は、素数たちの協力によって成り立っているのではないか」
というショッキングな感覚を、ビリビリッともたらします。

素数ってのは、ほんとに世界の“素(もと)”なのかもしれん。

読み進めるにつれて、数に関する数直線的な理解がほどけ、ぐるぐる回りながら広がったり集まったりしていく感じになっていった。あー、高校の頃に読んでいれば、数学の時間がもっと楽しかったろうになぁ。

さて、本書は類体論の入門書になっているけれど、

数学における類体論(るいたいろん、英: class field theory)は、有限体上の曲線の函数体や数体のアーベル拡大について、およびそのようなアーベル拡大に関する数論的性質について研究する、代数的数論の一大分野である。理論の対象となる体は、一般に大域体もしくは一次元大域体と呼ばれるものである。

与えられた大域体の有限次アーベル拡大と、その体の適当なイデアル類もしくはその体のイデール類群の開部分群との間に一対一対応が取れるという事実によって、類体論の名がある。例えば、数体の最大不分岐アーベル拡大であるヒルベルト類体は、非常に特別なイデアル類に対応する。類体論は、大域体のイデール類群(即ち、体の乗法群によるイデールの商)によってその大域体の最大アーベル拡大のガロワ群へ作用する相互律準同型 (reciprocity homomorphism) を含む。大域体のイデール類群の各開部分群は、対応する類体拡大からもとの大域体へ落ちるノルム写像の像になっているのである。

標準的な方法論は、1930年代以降発達した局所類体論で、これは大域体の完備化である局所体のアーベル拡大を記述するものであり、これを用いて大域類体論が構築される。

類体論 - Wikipedia

これよりは全然簡単なので! ぜひ手に取ってほしいかも。

論理学もちょっとずつ勉強したいけど、環や体の世界のことも知りたくなってきた。いろんなことにつながっていく考え方だと思う。