ユートピア的「埋蔵金」掘り当て政策

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最近「埋蔵金」の話を聞かなくなった。民主党が言っていたアレだ。どうやら、ウソだったらしい。でも、本当にそうなんだろうか。

個人的には国による電子マイクロペイメントプラットフォームの整備こそが「埋蔵金」たりうるのではないかと思う。

取引をすべて国が管理・補足・課税できれば、より少ない消費税率で大きな税収が得られる。消費税は非課税もしくは課税不能なケースも多く、それが解消されるだけで、現状の税率で軽く倍にはなるだろう。電子化した後は、紙のほうのみを徐々に減価させればいい*1。あと、このプラットフォームは当然ユニバーサルサービスであるべきなので、すべての国民が“口座”を持つことになる。すると、ベーシックインカムの実現も近くなる。どんな不幸に遭っても、自動的に最低限の保障がすべての人にいきわたる世界が近づく。

ただし、この政策はユートピア的要素を多分に含んでいる。

まず第一に、国がすべてを把握することによる「経済の監視」が問題になるだろう。国は取引の「量」のみを監視すればよく、「用途」には無関心でいい。だからデータに匿名化を施すことは可能だろうけれど、それでも嫌がる人はいるだろうし、そもそもそれを信頼しない人も多いだろう。これによって雇用を失う人たちやブラックマネーを扱う勢力も不安をあおって便乗反対するだろうし、政治的にはたぶん実現できない。

また、国定の電子マネーを迂回する取引は認められなくなる。この制度に意味がなくなるからだ。商品券・ポイント制度は根絶しなければならない。通貨の自由発行なんてとんでもないし、地域通貨も認められない。個人的には大学時代、軽くハイエクを信奉していたこともあり、残念ではある。

要は完全にやると、“自由”*2が失われるってわけだ。

けれど、部分的にでも実現する意味はあるのではないだろうか。みんな SUICA にデポジットを預けたりお金をチャージしたりするけど、JR がそれによってどれだけ利益を得ているのだろう。無利子でお金を集めらるだけでスゴい収益になるし、死蔵されたお金だって決して少なくはないのじゃないかな。*3ともあれ、それを国が代替するだけでも多少のメリットはあると思う。SUICA みたいな気軽な決済が自由に、たとえば Web からでも使えたら? なんなら、データさえ国が管理できれば、フロントエンドは民間が担当したっていいんだ。

もし、そんな電子マイクロペイメントプラットフォームを国で整備してくれたら、URLに「いいね!」をしたら相手に10円送金できるサービスでもやって、利益は自分の住む街のために使いたい。

昔、望む政策を3つにまとめるというエントリを戯れに書いたけれど、今書くならば

あたりにでもしようかと思う。正直なところ、政治的に実現は難しく、あまり期待はしていない。けれど、自分としてはありうるべき理想の世界だと思っているので、これに近いスタンスをとる政党を僕は気長に支持している。

*1:それも一種の税金とみなせる

*2:自分が「4つの自由」 https://blog.daruyanagi.jp/entry/2012/06/16/152148 と分類するところの「政治的自由」。ほかの自由はむしろ拡大する

*3:まぁ、なんらかの法的規制はすでに設けられているのかもしれないけれど。