WebMatrix 2:ASP.NET と PHP
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前回(WebMatrix 2:フォルダーから Web サイトを作ってみる - だるろぐ)は、空のフォルダーから Web サイトを作って HTML ファイルを配置し、それをローカル Web サーバー(IIS Express 7.5)でホストするところまで進めた。でも、静的な HTML だけではちょっとつまらないかな。
「WebMatrix 2」では、サーバーサイドで動的に HTML を生成することもできる*1。“動的”というのは、要求に応じて異なる内容を出力できるということ。これができると、いろいろなメリットがある。
- データベースと連携できる
- ほかの Web サイトの情報を取り込んだり、Web サービスの API が利用できる*2
- Web サイト共通の部分(パラメーターやデザイン)が一元管理できる
- 状況に応じて出力がカスタマイズできる(例: モバイル向けWebデザイン)
世の中にはさまざまなサーバ・サイドプログラミング環境があるけれど、「WebMatrix 2」ではそのなかでも“ASP.NET”と“PHP”をサポートしている*3。空のフォルダーから作成した Web サイト でも簡単に利用できる。
ASP.NET(C#)*4
拡張子は“.cshtml”(Visual Basic の場合は *.vbhtml)。“Razor”と呼ばれるシンプルな構文で記述できる。
@{ var s = "Hello! World"; // 追加 }<!DOCTYPE html>
<html lang="en"> <head> <meta charset="utf-8" /> <title></title> </head> <body> @s <!– 追加 –> </body> </html>
拡張子を省略してもアクセスできる。
PHP: Hypertext Preprocessor
拡張子は“.php”。おそらくもっともポピュラーなサーバーサイドプログラミング言語。
<?php $s = "Hello! World"; // 追加 ?><!DOCTYPE html> <html lang="en"> <head> <meta charset="utf-8" /> <title></title> </head> <body> <?php echo($s); ?> <!– 追加 –> </body> </html>
PHP を利用するには
「WebMatrix 2」で PHP を利用するには追加のコンポーネントが必要。
まず、[サイト]タブの[設定]画面を開き、“PHP を有効にする”をチェック。
すると、「PHP 5.4.8 for IIS Express」がインストールされる。
セットアップはほとんど自動で行われる。
どちらを利用すべきか?
なんなら混ぜて利用することもできるので、別にどっちでもよいのだけれど、これから Windows プラットフォームでサーバーサイドプログラミングを始めるならば、ASP.NET の方をお勧めしたい。後発であるがゆえのさまざまなメリットがある。
- 構文がシンプル
- 言語レベルでのセキュリティ設計で一日の長がある
- C# が利用できる。この知識は Web プログラミング以外にも活用できる
PHP の方が優れている面も、もちろんある。
- Windows / IIS 以外の環境でも動作する
- 動作実績が豊富でサンプルも多く、学習が容易
- Razor より少しだけ速いらしい