古典派経済学と階級

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古典学派の諸国民は、単純に無定形のものではなくて、諸階級に分かたれたものであった。すなわち、地主の階級、労働者の階級、および資本家の階級である。

経済学史―学説ならびに方法の諸段階 (岩波文庫 白 147-3)

三つの階級(+1)

地主(階級)

「自然的要素」の所持者

シーニョアによる規定(シーニョアによる生産要素論 - だるろぐ)。以下、これにならってみる。

労働者(階級)

「労働(力)」の所持者(または、それ以上の何か)。

資本家(階級)

「節欲」によって資本を蓄積。労働手段の調達および労働者に対する生活手段の前貸しを行う。

企業家(階級)

セー(に代表されるフランスの経済学者)のみが、資本家と企業家を区別した(今でもあまりキチンと区別されていない)。イギリスではJ.S.ミルがこれに初めてならった。

マルクス

「労働者」の(使用)価値(≒交換過程に投げ込まれた「労働力」の価値)と、「労働者」の使用価値(≒「労働者」の再生産に必要な(交換)価値)との差を“搾取”することによって自己増殖する「資本」と、その人的表現型たる「資本家」。「地主」は歴史的存在に。

「企業家」はどこ?