ハリントンによる諸国家の政治的秩序のまとめ

執筆日時： 2012年10月8日06時46分

法律承認ないし国家の議決権を持つ全会衆集会、全会衆集会への提案権や最高裁判権をもつ長老会議ないし最高会議、および法律の執行機関としての行政府から成っていた。

提案権を担った元老院、議決権を行使したが、同時にしばしば討議を行ったために破滅するに至った民会ないし市民集会、アレオパゴスの高等法院、および九人の執政官その他の行政府。

提案を行う元老院、議決を行うのみで決して討議を行わなかったことが永続の原因となった民会しない市民集会、および執行を担当する二人の王、監督官その他の行政府。

提案を行う元老院、議決を行うがあまりにしばしば討議も行ったため動乱の原因となった民会、執行を担当した執政官、護民官、監察官その他の行政府。

提案を行い、またときに議決も行った元老院、議決を本質的な役割とした大評議会、執政を担当する総督、市会議員、監察官、十人会その他の行政府。

要は、提案・議決・執行を分けましょうという主張。日本の場合、これに従うならば参議院が提案を、衆議院が議決を、行政府が執行をそれぞれ担当するのが望ましい。しかし、5人以上の両院議員に提案権が与えられており、参議院も議決が可能な日本はそれに沿っているとは言えない。