保守主義とフリーライダー

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さっきはてぶ見てたら、あきらかにジプシー嫌いなくせにレイシスト認定されたくないから奴らの過去の経緯とか関連本の感想とか交えて遠回ししながらジプシーdisしてるブログ見つけてワロタ。そりゃ固定ブログで正直な気持ちなんて書いたら民度の高い(笑)はてぶユーザーの皆さんから一斉にレイシスト認定されるからな。だから今回はあのブログ主に代わって俺が増田という最高の舞台でなぜジプシーがヨーロッパ全土で嫌われているかを教えてやる。

某ブログに代わって俺がロマ(ジプシー)の害虫ぶりを教えてやる

結構面白いな(失礼!)、と思った。

ジプシー(ロマ)というのは、端的に言えば「フリーライダー」なのだな。国に縛られないと言えば聞こえはいいけれど、コミュニティへの貢献がない。保守主義者にとって彼らはあくまでも「ソト」の人間であり、守るものを共有した「ウチ」の人間ではない。ユダヤ人やホームレスが嫌われるのも、同じような構図なんだろう。

ただ、そのすべてがすべてジプシーやユダヤのせいかというと、そうとも言えないのが難しいところ。

たとえば近代に至るまで、ユダヤ人はほとんどの国で兵役が免除されていた。この場合、兵役の免除は特権ではない。コミュニティへの参加への拒否であり、一切の市民権がないことを意味する。現代ならいざしらず、当時の市民権は血による貢献、自己犠牲への対価だった。コミュニティ(マチ、ムラ)への参加が認められていないので、土地を得て働き、根を下ろすこともできない。なので、ユダヤ人は医術や金融など、ふつうの市民が手を出さない分野への進出に活を見出すしかなかった。まぁ、そこで成功することがまた新たな妬みを産んだりもするのだけれど。

ともかく、フリーライダーであることを歴史的に強いられてきたという一面が彼らにはある。そこは忘れてはならないかな。でも、そればかりを強調するやり方もあんまりうまくない。国がないからフリーライダーなのか、フリーライダーだから国をもてないのか。おそらく、そのどちらでもあるのだと思う。いろんなできごとが絡み合っていて、何が本当の原因なのかもう誰にもわからない。

んでこういった国々って本人たちがその気にさえなれば国の社会保障制度を使って違法移民でも仮住まいや食料の申請やら子供の就学手続きなんかはできるはずだろ?でもジプシーの連中はそれすらしないんだよ。ヨーロッパの社会に溶け込まずに独自の社会にとどまったままで、おかけに子供の就学の機会も奪って、そのかわりに観光客相手にいかに騙すかとかスリのやり方とかそんなことばっか教えてるんだよ。住んでいる住民にしたら自分たちの政府に対してこんな連中さっさと自分の街から追い出してくれ!(not in my backyard!)って要請したくなるもんだろ???

もう本人ですら、なぜそうしたくないのか答えられないんじゃないだろうか。

だから俺やヨーロッパの住民みたく「ジプシー=害虫」みたいな対応で、日頃から害虫対策をしっかりしながらスルーしていくのが一番賢いし正しいんだ。もちろん俺らの社会のシステムやルールを尊重して、ちゃんと俺らのルールの元で努力してがんばろうとしてる奴はちゃんと認めてやらないといかんよ。でもそれすらせずに好き勝手して迷惑ばっかかける害虫はさ、死ねとまでは言わないから極力スルー&うちの近くにはやってくるなって対応をするしかないんだよ。

著者は左翼もネオリベが嫌い*1みたいだし、おそらく典型的な保守主義者なのだと思う。このくだりを読む限りはなかなか開明的でもあるらしい。キッチリとウチ・ソトの境界を引いて、ウチに加わる意思*2があるなら歓迎するが、フリーライド(ただ乗り)するなら許さない。政治的態度として、これはこれでありだと思う。

*1:わしはそんなにネオリベが嫌いじゃないけど

*2:コミュニティへの貢献と法への服従