もう景気がよくなることはないので、税金の話も不景気前提で。
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いや、マジな話、もう景気がよくなることはないよ。
少なくとも「全体的な」好景気・不景気のサイクルが今後もあるとは限らない。たとえ景気が過熱することはあっても、それは経済全体の一部に留まる。世界レベルで見れば、これはなんらおかしいことじゃない。「上海の景気はいいのにロンドンはいまいち」というはフツーにありうる。それが、日本で縮小再現されているだけの話。
もうひとつは、好景気だからといってはしゃいでジュリアナダンスが踊れるほど、みんなが子どもではなくなったということ。今の若い子はバブル時代なんか知らないわけで。さすがに企業だって学習したのだろう。好景気でもお金転がしに走らなくなった。ただ単に不景気のときに被った傷を癒すのに精一杯なだけなのかもしれないが。
まぁ、細かいロジックは経済学者さんに任せるとして。居酒屋経済学的な見立てで言えば、そんな感じ。
つまり、これからの好景気は、あったとしても“実感なき好景気”でしかない。平成の好景気がそうであったように。享受できる範囲が限られているか、波が来ても慎重でなかなか加熱しないか、不況と不況の間に訪れる束の間の休息でしかないか。
だったらいい加減、
なんていう議論はやめにしないか。少なくとも、騙されないようにしたい。いつか景気のいいときがくる? そんなのアテにできない。原発が最悪の事故を想定して運用されるべきであるのと同じく、税制も“好景気がもうこない”という最悪の事故を想定して設計されるべきだ。*5
というわけで、消費税の税率引き上げには基本的賛成。
消費税というのは、景気の変動に強くて、急に増えもしなければ、逆に減ることもない。まさに“Always 不景気”なこれからの時代にはピッタリなわけだ。
じゃぁ、いつ税率をあげればよいのだろう? それもたいした問題じゃない。好景気になるのを見計らって? 残念、“Always 不景気”ですから! 仮に好景気がきても、そのときはそのときでどうせ揉めるんだから。であれば、早いことに越したことはない。
いつやる? 今しかないでしょう? ってこのおっさんも言ってた。*6
消費税というのは、しんどいのは「値上げした最初」だけ。あとは税金があらかじめ価格に織り込まれるようになるので、実はあんまりしんどくない。むかしは3%でも「子どもが10円でチロルチョコ買えなくて泣いてる!」だなんて共産党が叫んでたけれど*7、いまでは5%でも泣いている子ども、いないでしょう。あぁ、むしろダダこねて泣いているのは年金受給者か! 無視してさっさと税率あげちゃえばいいよ。
まぁ、そんなわけで、消費税増税は仕方がないし、むしろ望ましい。でも、ほかの部分をちょっと減らしてくれたら、個人的にはうれしいのだけどなぁ。