タブは要らない
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ドキュメントの階層とタブ
ウィンドウにタブなんかいらない。
だって、だいたいの場合、これで十分じゃない? Windows 7のライブサムネイルのなせるわざだけど。
もちろん例外はある。たとえば、「Visual Studio」なんかはタブがないと怖い。それはなんでかって言うと、VSではウィンドウ=プロジェクトであり、かつさらに、そのプロジェクトが複数のドキュメント=タブを管理しているから。管理データの階層が二つ以上あるので、ウィンドウにタブがないと困る。その点、「Internet Explorer」の場合はウィンドウ=ドキュメントの一階層なので、タブがなくてもやっていける*1というわけ。
ドキュメント階層とタブの有無は関連しているし、すべきだ。
ネストしたタブ
だから、こういうユーザーインターフェイス(ネストしたタブ、タブグループ)にはある種の迷走っぷりを感じる。
あまり必要のないタブがあり、それを管理するためのタブグループがある感じ。そのうち、タブグループを管理するタブが必要になるんじゃないか? まぁ、こういうアプリは上級者向け*2なんだろうし、Windows Vista以前ではライブサムネイルがないわけだし、そもそも使わないという選択肢もあるので、廃止しろとまでは言わないけど。
ちなみに、「Google Chrome」ではウィンドウ=タブグループ、ドキュメント=タブという二階層構成をもち、またそれをちゃんと意識して、早くからウィンドウ間のタブのドラッグ&ドッキングをサポートしている。「Google Chrome」のウィンドウはタブをグループ化するコンテナなんだ。タブの位置を真似ただけのほかのブラウザーとは違い、デザイン(UXと呼ぶべき?)がよく練られていると改めて思う*3。ただ、これはWindows 7のライブサムネイルを活かした構成ではない。でも、クロスプラットフォームアプリであることを考えれば、批判にはあたらない。Windows環境以外のことも考えれば、これがベストなんだろう。
とにかく、タブは要らない。少なくとも、Windows 7では極力ないほうがスッキリすると思う。SDIの復権バンザイ!
ドキュメントの切り替え
とはいえ、ウィンドウにタブがない=たぶん[Ctrl]+[Tab]もない=同一アプリ内でのドキュメント切り替えが面倒 なのは困る。できれば OS 側で機能をもっておいて(そして、それにみんなが馴染んでいて)ほしいのだけど、猫も杓子もタブインターフェイスのWindows デスクトップでは無理かな。なにか統一的なインターフェイスが用意されていればいいのだけど。
現状、ドキュメントの切り替え機能はアプリが個々に実装するしかない。だったら、[Ctrl]+[Tab]のメタファとしてのタブはあっていいのかもしれない。タブがある=[Ctrl]+[Tab]を使えまっせ!というわけだ。この記事を書き始めたときは「IE9にだってタブは要らないよな」と思ってたけど、[Ctrl]+[Tab]のことを考えれば、これはこれでバランスのとれたデザインなのかもしれない。
まとめ
- タブを付けるときは、アプリケーションが管理するデータ(ドキュメント)の階層を考えたほうがいいと思う
- ドキュメント階層が1つなら、SDIでいい。複数あるなら、タブインターフェイスを検討すべき
- ドキュメント階層は2つまでがいいんじゃないかなぁ
- ドキュメント切り替え機能は必要だと思う。そのメタファとしてのタブはありかも
目新しいことではないかもしれないけど、せっかくなのでこれを機会に考えてみてもいいと思う。
おまけ
「Microsoft Office」の歴史と、そのユーザーインターフェイスの変態っぷりには敬意を表する (`・ω・´)ゞ