贈与と交換の違いについての素描
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贈与過程が存在するならば、与えたものに対して一定の見返りを期待できる。ただし、与えるときにはさも見返りを期待しないかのような振る舞いが必要だ。でなければ、無粋であろう。
しかし交換過程では、この振る舞いは無用であるところか、奇妙にさえ見える。ヨドバシカメラのレジで「商品はいただかなくてもいいんですよ、お金だけ受け取ってください」と言えば、ちょっと頭のおかしい人だと思われるに違いない*1。
これは「交換」と「贈与」の違いを探る上で重要なヒントになると思う。
今から競艇に行く予定なので、先走って結論を出してみよう。交換とは
- 社会化された「贈与」(プライベートからパブリックへ)
- 形式化された「贈与」(前例に従った贈与。「あげたい」という純粋な気持ちの発露ではなく、ある種惰性としての贈与)
- 規格化された「贈与」(与えられたインプットにはそれに応じたアウトプットが与えられる。その比率は「社会的に」決定される。多く与えすぎても、少なく受け取りすぎてもよくない。数量化された「贈与」)
- 無記名の「贈与」(義理や人情といったプライベートな感情を排した贈与)
と言える。まだ足りない要素があるかもしれない。その時はまた書き足すことにしよう。