縁は命綱
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ニコンで働いていた派遣社員の上段勇士さんの自殺は会社に責任があるとして、勇士さんの母がニコンと派遣会社を相手に裁判を起こしていて、最高裁は会社の7千万円の賠償責任を認めた、というニュースがありました。勇士さんは昼夜2交代制勤務の過労でうつ病になり自殺したようなのですが、その、うつ病に気づかなかった会社に過失がある、ということでした。うつ病だったと認定したのは、自殺前の本人と家族との会話などから裁判所が類推したようなのですが、それなら、家族は勇士さんのうつ病に気づいていながら見殺しにした、ということになるのではないでしょうか?
案の定、はてブでは否定的な意見が多いみたい *1 。でも、僕はこの意見に同意する。
ある人が精神的に参っていた場合、それをケアすべきなのは誰なんだろう。会社? 医者? 個人的には、まず自分で何とかする *2 、無理ならば家族(や友人)で支える、というのが順番なのじゃないかな、と思う。会社にだって責任はあるし *3 、医師だってかかりつけの患者に対して責任を負っている。けれど、まずは身近な人が気付いて *4 、支えてあげなければならない。会社も医師も所詮はお金で繋がった赤の他人。だけど、家族はそうじゃないはず。
_「会社が殺した」_と主張するならば、まず_「家族が殺した」_ということを認めなければならない、と僕は思う。なのに、家族が会社を訴えて金銭を得る。そのお金、使って楽しい? 僕だったらヤダな *5 。死んだあとに家族と会社が争ってるってのが、またイヤだ。
「自殺は神への冒涜」とは宗教家の言うことにしても、自分の命は自分で守る、が、生物としての最低の条件ではないのでしょうかしら?
別に「生物としての最低条件」だなんて思わないけど、最後は自己責任なのは確か。だけど、追い詰められる前に家族や友人の助けを得ることはできるし、医師の助言に頼ることもできる。日頃からそういう関係を大事にして、しんどい時はうまく活用してほしいし、自分もいざという時に家族や、そのほかのヒトの助けになれる懐の深い人間でいたい。そこは、お互い様というやつだ。
縁というのは、たぶん、命綱でもあるのだと思う。正直めんどうなときもあるけど、メンテナンスは怠らないようにしたい。で、ダメなときはダメな時で、「命綱」に思いっきり頼ればいいんだと思う。
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*1:はてなブックマーク - 上段勇士さんの自殺 - 精神科医の本音日記
*2:この意識が強すぎるヒトではあったらしい
*3:とくに法に定める以上の労働を化していた場合はとくに
*4:兆候は十分に認められていたようだ
*5:派遣社員過労自殺裁判 を斜め読みしたが、あまり家族関係には恵まれていない、というか、逃げ場や癒しの場が少なそうな印象を受けた。