居酒屋を開拓する
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最近、一人で呑み歩いている。
引越ししたせいで、いきつけの居酒屋を「喪って」しまったからだ。いちから探さなければならない。
けれど、僕みたいな30ぐらいの子が独りで常連のいる居酒屋に乗り込んでくるというケースはそんなに多くないようで、どこに言っても最初は少し奇異な目で見られる。そんな時は、仕方がない。ただ、静かに本を読みながら、お酒と料理を楽しむ。
すると、まぁ、一人ぐらいはチョッカイをかけてくるお客さんがいるものだ。
そんなときは、本をパタンと閉じて、話を聞く体勢をとる。本を読むのをやめましたよ、あなたの言葉が聞きたいな。
すると、相手から言葉が流れるように出てくる。ときどき質問や相槌は混ぜるけれど、それが多すぎないように、流れを切らないように気をつけて、ひたすら話を聞くことに徹する。
そうしたら、だいたいどこでもすぐに溶け込める。その人がハブになって、他の人との繋がりが勝手にできていく。これはちょっと楽しい。
昨日は初めての居酒屋でビールを奢ってもらった。ありがとう。